こんばんわ。
和風雑貨【雅-みやび-】の店主です。
当店では木版画を中心に和風ピアスなどなど外国人が好む日本土産を取り扱っています。
木版画は初めて働いた環境が木版画に接する機会があったことが始まりでした。
当初は全く知識も興味もなかった私ですが、ある絵に出会ってから一気に木版画の魅力にはまったのです。
今回はそんなきっかけとなった木版画のお話です。
はじめは知識がなさすぎて
働き始めた当初は、まったく木版画の知識がなく、かの有名な広重や北斎ですらほぼ知らないという無知ぶりを発揮していました。
実際上司には呆れられていたのではないかと今になっては思います。
とはいえ仕事柄版画の知識は必須。
まずは有名な作家たちの復刻版を見ながら覚えることにしました。
広重の東海道五十三次、北斎の富嶽三十六景、歌麿の人物画、、、といった具合で当時販売されていて復刻版を見ながら必死に覚えていっていたのですが、ある復刻版画の目の前でふと足が止まりました。
はじめて木版画を見てふるえた
絵を見て時が止まった経験をしたことがありますか?
私はこのときが初めてでした。
私の目が止まった木版画はこちらです。
この絵が額装され店内に飾られていたのですが、目の前から動けなくなりました。
当時の上司に
「これはなんていう絵ですか?誰の作品ですか?」
と質問したのを今でも覚えています。
こちらは芳年という方の有名な3枚綴「月下弄笛」という作品だと教えてもらいました。とにかくこの絵に一目ぼれした私はこの芳年という方の作品を色々見たり、画集を見たりと調べました。
月岡芳年の魅力
この方の作品は若年期の頃から壮年期まで多数世に出ています。
私は全てが好きというわけではなく、例えば芳年の絵で有名な「残酷絵」などは苦手な部類ですし明治以降多用された赤や紫が乱用された時代の作品は好きではありません。
グロテスクや荒々しい作品が多いのかと思いきや、
美人画の風俗三十二相シリーズのような繊細な図柄もあるんです。
特に私が虜になったシリーズが「月百姿」。
シリーズタイトルの通り、絵の中には必ず月が描かれているのですが私の中ではこのシリーズが一番芳年の良さが出ていると思っています。
私がなぜここまで芳年にほれ込んだのかというと、荒々しい太い線と消えてしまいそうな細い線のなんとも言えない組みあわせに魅了されたんです。
芳年が表現する太い線と細い線
芳年の作品で一番わかりやすいのは髪の毛のこまやかな線と洋服などの流々とした太い線ではないでしょうか。
芳年の作品はとても繊細なところと大胆なところが表裏一体で表現されているなぁと常に感じていたんです。
その感覚があながち間違えていないのかもと思ったのが、
芳年の後年は神経衰弱に悩まされ、一度復活した際に名前も「大きく蘇る」という名の「大蘇芳年」という名になっているんです。
それを知った時に、だからこそあのような絵が出来るのか!と腑に落ちた気がします。
今も変わらず
そんな今も私は芳年が大好きで、タイミングが合えば芳年展などがあれば美術館へ見に行ったりしています。
広重や北斎を知っていても、芳年を知らない日本人は多いと思います。
しかし芳年は海外の方々にとても人気があるんですよ!
私が扱っていた月百姿の復刻版も海外の方によく売れていました。
現在は1種類、しかも1枚しかないのですがまたゆくゆくは取り扱っていきたいなと考えています。
お近くで芳年展があった際にはぜひ見に行ってくださいね。
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